キャンピングカーを購入したら家庭用電化製品をいろいろ試したくなります。代表的なものだとエアコンや電子レンジやドライヤーといった比較的電力を使うものだとおもいます。ドライヤークラスになると軽く1000Wを超えてくると思います。
その場合最低でも1500Wクラスの正弦波インバーターは必要だと思いますが、今までの経緯からあえて1000Wを選びました。
1000Wインバーターにした理由
大きな電力に対応すれば使える幅は広がりますが、バッテリーの容量が小さいとせっかく電力を使えてもすぐにバッテリー残量が無くなってしまいます。
今まで700Wの正弦波インバーターで2年ほど使いましたが、もともとドライヤーは使う場面がなく旅先のスーパー銭湯で済んでしまうし、電子レンジも車には無くほとんど調理したり、コンビニやスーパーでお弁当類を購入した時に店内の電子レンジを使っていたので必要を感じませんでした。
またエアコンもバッテリーの予算や積載スペースの関係で見送り、短い夏の間は冷風機や安いビジネスホテルで過ごしたりとしていたため700Wのインバーターでも間に合っていました。
今回1000Wにした理由は唯一小型900WのIHクッキングヒーターを今まで700WではMAXまで使えなかったので不便を感じていました。
500W以下の家電は国産正弦波インバーターの恩恵で安定して動作できるがIHクッキングヒーターに関しては中間くらいの設定でも不安定で温まるのに時間がかかりました。
バッテリー自体は105ha×2個使用しており大容量と言えないが10分程度しかIHクッキングヒーターは使わないので1000Wタイプに交換を決めました。
1000Wインバーターテスト
今回インバーター交換に伴いソーラーパネルも同時に取り付けることにしました。
左側がMTTP制御20Aコントローラー・中央はテスト用バッテリー・右が1000W正弦波インバーターです。
今回使用したインバーターVSWI-1000
リモートスイッチとケーブル付きはありがたいです。
実際に1000Wインバーターでお湯をMAX1000Wで使用しましたが動作されました。
その他電圧低下時は11V辺りから鳴り、かなり煩く感じるので使わないときはスイッチで切る必要があります。
さすがに12Vで1000W近い電力だと電流も100Aを超えバッテリーからインバーターに使用している
KIV22sqの電線の許容電流115Aアンペアい近ずき長い時間使用した場合の電線の発熱も心配されました。
許容電流目安 電線KIV 周囲温度30℃の場合
[table id=6 /]
12Vで1000Wの場合 計算上は約83Aアンペアですが大きな負荷がかかると電圧は下がりバッテリーの容量にも影響しますが10.0Vまで下がったとすると100A近くになります。
今回動作させた条件はIHクッキングヒーターMX1000W実際には950Wくらいで電圧11.7V約93Aでした。
IHクッキングヒーターMAXの状態の様子で上の写真がその時の電流値と電圧です。
負荷がかかると12.9V→11.7Vに低下します。
今回の電流は100Aに収まりましたが電流は周囲の温度により変化します。
今回22mm2 115Aになってますが条件により結構ギリギリになります。
もちろん1500Wのインバーターを取り付けた場合は10Vまで下がった場合は150Aの電流が流れる事になるので電線も許容電流から38mm2162Aに交換する必要が出てきます。
実際に長い時間は大きな電流を流すことは少ないと思いますが安全を考慮すると余裕を持つ必要があります。
電線の使う材質等の内容にもより太さは同じでも電流値が変わるので注意してください
下記の表は電工ランドさんの引用です。一般に12V24Vインバーターに使われるケーブルがIV線・KIVが多いです。使う電流に合わせて余裕をみて選んでみてください
トラックなどの24Vでない限り12Vの電流になります。
mmは単線・mm²はより線sqスケアと呼びます。サイズの大きいsq以上になると専用の油圧式の道具で端子と電線を圧着します。
同じのを使ってますが38sqになるとかなり作業がきついです。
http://denko-land.com/search/allowable-current1.html#heading-32
IV・KIV電線 許容電流
※周囲温度30℃ 単位:A
(内線規程による)
サイズ(mm/mm²) 気中1条(A) 1.6 27 2.0 35 2.6 48 3.2 62 4.0 81 5.0 107 0.9 17 1.25 19 2 27 3.5 37 5.5 49 8 61 14 88 22 115 38 162 60 217 100 298 150 395 200 469 250 556 325 650 400 745 500 842 IV・KIV電線周囲温度補正係数表
周囲温度 ℃ 電流補正係数 20 1.15 25 1.08 35 0.91 40 0.82 45 0.71 50 0.58 電工ランドさんの表を引用させていただきました。
例
12Vのインバーターで1500Wの家電を使う場合の電流は、125Aです。
インバーターは、直流電力を交流電力に変換する装置です。12Vのインバーターの場合、直流電圧が12Vで、交流電圧が100Vです。電流は、電圧と消費電力から計算できます。
電流 = 消費電力 / 電圧
実際の電圧は鉛バッテリーの場合11Vから14Vの間で変動します。計算式は12Vですが
仮に11Vに下がると逆に電流が上がります。なので配線には余裕を持たせるのが安全です。
消費電力が1500W、電圧が11Vの場合の電流は、136.36Aです。
電流は、電圧と消費電力から計算できます。
電流 = 消費電力 / 電圧
消費電力は1500W、電圧は11Vなので、電流は136.36Aです。
インバーターは、電流が流れる際に発熱します。そのため、インバーターには、電流容量に応じた冷却装置が搭載されています。電流容量を超える電流を流すと、インバーターが故障する可能性があります。
交換時の注意点
交換時には特にバッテリー部からインバーター間には大電流が流れます。必ずインバーターの電源はオフにする事と、その他の電気系のスイッチもオフにすることです。
またバッテリー部からのプラスマイナスの極性が間違いがないかの確認と赤黒を分けてください
テスターは必ず必要です。見えない電気を把握したり実際家電を使用しバッテリーとインバーター間に電流がどれくらい流れるかなどわかってきます。
狭い場所の作業では電線の端子部には600vビニル絶縁テープで巻いて作業すればより安全です。
絶縁系のゴム手袋もあると良いでしょう!
インバーターがOFFの状態でも内蔵されたコンデンサーの影響により一瞬サージが発生します。私も後から追加購入したサージプロテクタが非常に有効です。
価格も比較的安いので十分ですの電装関係を頻繁に触る方は持っていても損はないものです。
最後になりますがバッテリーやインバーターを取り扱う前にYouTubeやGoogle検索などで(短絡事故)で検索してみてください
慎重に確認しながら的確に作業できると思います。
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