初めに
キャンピングカーでのエアコンがあるかないかでは夏の車中泊に大きく影響します。ですがエアコンは消費電力も多くバッテリーの問題なども対策しないと実用稼働には程遠いものです。
最終的に家庭用などのエアコンも検討しましたがコスト面も考慮してウィンドエアコン導入に決定しました。導入にあたり消費電力を抑えて雨の日でも使えて走行中でも使えるようにしました。
私的な理想なエアコン環境は車内が夏でも快適で太陽光発電と走行充電合わせて朝から晩まで使えてしかもメンテナンスフリーで万が一壊れてもワンタッチで交換できる仕様でした。
今回のウィンドエアコン取付で理想に近くなった感じです。
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今まで試したエアコン
ここに来るまでにスポットクーラーを含めると8台位試してきました。
消費電力を抑えることも重要ですが排熱の問題が大きく、なかなか夏の車中泊に対応したシステムにはほど遠かったです。
家庭用電源なら多少の消費電力でも大きくきになりませんがキャンピングカーでの使用では消費電力を極力抑えながら、暑い日でも涼しさを得られなければ機能的とは言えません
前回のクレクール3↓
今回ウィンドエアコンを取り付ける場合クレクール仕様が生かせるかその影響を調べてみました。
↑120パイの穴
↓クレクール3取付 排熱ダクトは熱によるロスを減らすためストレートに繋げ吸気は外気を取り込むようにしました。
クーラーの性能は出すことができたが室内を冷やすには限界を感じました。
冷房能力として0.9kwくらいです。今回取り付けるハイアール製ウィンド
エアコンは50Hzで1.4kwの能力があり倍近い性能があります。
そこでクレクール3の時開けた穴を利用しウィンドエアコンの性能が出せるかどうかを段ボールで再現しテストしました。
今回取り付け予定の窓用エアコン
本設置する前に段ボールで穴を利用した吸排気を再現しました。
段ボール配管上側を吸気用に設定し下側を排気側ダクトとして使用
段ボール内では2段構造になっており吸気排気を分けることにした。
夏場を再現するため部屋の温度を30℃に設定し、取付予定の窓用エアコンを16℃に設定し運転
10分運転後 窓用エアコンの排熱温度45℃から50℃ 消費電力950Wまでに上昇
(実際にこの状態で本設してしまうとサブバッテリーの消費が大きすぎる)
窓用エアコン50Hzでの電力は500Wから600Wの範囲である為
排熱用の面積が少なく電力が上がってしまったと思われます。
クレクール3用の穴では窓用エアコンを正常に動かすのは無理と分かりました。
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開口面積のある候補のダクトで試す。
窓用エアコンの吸排気の能力を出すため面積の多いダクトを購入
今度は発砲スチロールで吸排気を分け、購入したダクトで試す
部屋の温度は30℃と夏場を想定しエアコンの設定温度を16℃へ
結果として消費電力800W前後と高く実用的ではないと判断しました。
結果=用意したダクトの開口面積より広いものが必要
窓用エアコンに最適なユニバーサルグリルを検証
開口面積が多くルーバータイプで走行中や雨の日でも使用できるユニバーサルグリルをネット通販モノタロウで見つけ、取付前に段ボールで検証し消費電力も500Wから600Wと安定を確認
本設を決定しました。
ユニバーサルグリルの寸法は車両にと取り付ける位置と窓用エアコンの吸排気の位置と面積を計算し300mm×650mmが最適でした。(グリル内寸メーカー確認済み)
↓ モノタロウ ↓
ユニバーサルグリル(フレーム付) V(H)-FR
なぜ?電力量にこだわる理由はバッテリーの消費電力に直接影響するためです。
900Wも消費していてはバッテリーはすぐに減ってしまい実用的とは言えません
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キャンピングカー窓用エアコン グリル取付作業
今回の作業失敗はできないのでエアコン位置と切断部の位置を入念に合わせる
取付位置とグリルの位置が少しでもずれると車内に水が浸入してしまう
結果的に2mmずれましたが大丈夫でした。
位置が決まってから4mm以下で穴をあけ4か所位置決めを確認する
テープで開口予定の位置に貼り、マキタの18Vマルチツールなどを併用し外と中をカット
ディスクグラインダーも使用しました。
開口後グリルを合わせ微調整をしステンネジで止める
取り付け後内側の防水性を高めるため黒のコーキングで充填し下部には少し傾斜をつけて排水性を考慮する
左がコーキング後右がコーキング前
コーキングは2回に分けて充填しながら整え、固まったらカッターで最適にカットする
窓用エアコンを仮置きし設置の微調整を行い、決まったらエアコンと車体内側の接地面に5mmの防水テープを貼ります。
使用した防水テープ
グリルの外部コーキング
グリルと車体に養生テープをし今回はホワイトのコーキングを使用しました。
コーキングが乾いてから車内に水が入らないかを高圧洗車で確認
通常の雨なら問題ないが台風などの大雨を想定し横から1分間テスト
結果車内には水が浸入せず防水は上手くいったと言えます。
エアコンのドレンは12パイのチューブホースをカットしました。
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外観完成
中のエアコンはバックル式にし上部を固定し、エアコン下はL字のステーで固定し
簡単に取り外し可能で走行中の急ブレーキにも耐えるように調整しました。
エアコン本体の下部には厚さ5mm位の防振マットも設置し、窓用エアコン特有のコンプレッサーからの振動を大幅に軽減することにも成功しました。
今回取り付けたのはハイアール製で年式が変わっても排気吸気側のサイズが変わらないので万が一壊れてもワンタッチで交換可能にしました。
ただ他のウィンドエアコン コロナ製などは排気吸気側のサイズや向きが違うのでハイアール専用になってます。
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電力測定と今後のインバーター問題
取り付け後のエアコン電力は50Hzで消費電力も450Wから580W以内に収まり
狙い通りなりました。また車内は3畳ほどのスペースに対し1.4kWの能力を有するエアコンのため4月の外気温29℃車内が31℃で運転テストしましたが冷えすぎるので、今後はサーキュレータなどを設置する予定です。
エアコンの設定温度に対してのON OFFを上のグラフで分かるように車内温度22℃に設定後、調節が出来ているのが分かります。
データ測定に使用したBluetoothスマホアプリ対応 ワットチェッカー RS-BTWATTCH2Aにて測定
エアコンは問題なく狙い通りになりましたがインバーターが1000Wと低く、エアコン起動時にに不安定な問題があります。
通常の室外機室内機の分離型家庭用エアコンならインバーター制御でゆっくり消費電力をコントロールするため大きな影響はありませんが
窓用エアコンはコンプレッサーの起動はON OFF制御のため突入電流が大きく1000Wインバーターでは難しい場面が何度かありました。インバーターの破損も考えられるため早急に耐えられるインバーターを探す必要があります。
エアコンDIY取付までにかかった費用
ユニバーサルグリル 税込み+送料 17000円
ハイアール冷房専用窓用エアコン 中古12000円
コーキング類 500円
コンセント増設 700円
VVFケーブル2.0mm2C 7m 1000円
その他2000円 合計33200円
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まとめ
最終的に窓用エアコンを採用しましたが一番は本体の安さと冷房能力の高さにあります。効率が良く電力消費を抑えるには室外機と室内機を分離した家庭用エアコンや12Vで起動できるエアコンも魅力的ですが取付の難易度が上がり、価格も高額になってしまう部分がある為断念しました。
窓用エアコンが壊れた際には本体ごと入れ替えれば終わるなど、メリットが高い部分はありますがデメリットとしてインバータの能力を上げておかないと安定したエアコンの作動が出来なく、最悪インバーターを壊してしまいます。
その後の状況
2022年5月から運用し2023年8月現在も順調に稼働しています。車中泊以外にも炎天下の普段の買い物にも重宝しエアコンをつけた状態で買い物していて車に戻っても車内がひんやりしていて快適です。
今回取り付けたウィンドエアコンはほぼメンテナンスフリーでエアフィルター以外はほぼ放置状態でも冷却効果は維持できています。またグリルからの水漏れもなく汚れは少しつく程度です。
インバーターも正弦波3000W瞬間6000Wまでに対応に交換し安定しています。
ウィンドエアコンもハイアール製1.9kwの能力の高いものとサイズが一緒なので現状のが壊れたら交換予定です。
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昼間のウィンドエアコンとソーラー発電の関係
下の図は8月の晴れの日に調べたウィンドエアコンをつけた状態で発電とバッテリー残量にどれくらい影響するかを調べてみました。
最大の外気温37℃ ウィンドエアコン設定28℃ 7:00の時点でバッテリー残量100パーセントでスタートしました。 バッテリーはリン酸鉄バッテリー300Ahの容量です。
ウィンドエアコンの消費電力は450Wから580Wで確認してます。
今回は走行充電はせず停車中のソーラー発電のみで試しました。
7:00から10:00位まではウィンドエアコンONOFFを繰り返していました。
10:30位からは外気温も高くなり連動して車内温度も上がりほぼエアコンはONの状態です。
16:30位から外気温も少し下がりエアコンがようやくONOFFになりますがバッテリー残量も10%くらいまで下がりました。
おそらく走行充電+ソーラー発電 車自体のエアコンを併用すればもう少しバッテリー消費を抑えられたと思います。
調べた結果から車中泊メインでエアコンを使用するなら昼間の使用を減らし、車中泊をしないなら昼間のみの使い方が可能です。
充電しながらフルにエアコンを使う場合は最低でも800W以上のソーラーパネルとバッテリーも600Ahは必要に感じました。
今後も気になる点がある場合更新していきます。
その他の関連記事↓
正弦波3000Wインバーター↓
コメント
コメント一覧 (2件)
初めまして、
突然のコメント失礼いたします。
現在
ライトキャブコンに乗ってます。
夏のみ、バゲージドアに
ハイアール製ウインドウエアコンJA-16Uをつけていますが、
突入電流が大きすぎる為なのでしょうか
下記の条件で、エアコンが起動しませんでした
①岐阜県のRVパーク60Hz 15A
外部充電使用
②ポータブル電源
EcoFlow DELTAMAX1600
出力
AC出力:6口 (100V / 不明 / 50Hz/60Hz)
定格出力:2,000W
瞬間最大出力:4,200W
出力波形:正弦波
ハイアールのサポートに突入電流を問い合わせしたところ、情報未公開との事で回答をいただけませんでした。
EcoFlowのサポートにも連絡し、点検にも出しましこたが、本体に異常はないとの事で、そのまま返却されました。
電気のことは全く詳しくないのですが、
1.ハイアール製のエアコンの突入電流がCORONA製より大きすぎるのでしょうか、
2.あるいは相性の問題なのでしょうか
3. 関東圏の15AのRVパークでは使用できたのですが、Hzの違いに問題がありますか
ハイアール製のウインドウエアコンを使われてる方が、ほとんどいらっしゃらず、
たまたまこちらのブログを拝見いたしまして、ご助言をいただきたく、質問させていただいきました
ちなみに
CORONAのウインドウエアコンを使っている知り合いは(恐らく始動電流25/23位だと思います)
ECO flow社の EFDELTA (1260Wh)
合計 1600W ( サージ 3100W),
100V AC (60Hz/50Hz)
で問題なくエアコン稼働してます
お忙しいところ大変申し訳ございませんが、
お時間ある時に、ご回答いただけたら幸いです
お問い合わせありがとうございます。
ハイアールとコロナの稼働比較はしてませんが安かった理由でハイアールにしました。
カタログ値はあてにならないので実際に計測したら20Aから28Aまで幅がありました。
特にしばらくエアコンを使っていなくて急にエアコンを使うと電流値が上がる傾向でした。
インバーターの変換効率や保護回路の関係もありますが最大28Aとしインバーター出力100Vとして単純に2800Wは必要でしたのでインバーターに関しては3000Wを選びました。
ポーダブ電源ではエコフローデルタ2を使っていますがこちらでもハイアール製ウィンドエアコンは問題なく動作できていました。
ブログには書いていませんが1500Wインバータでエアコンが起動できないときに100V出力の電圧を意図的に90vに落とし最大始動電流28A×100V=2800W を始動電流28A×90V=2520Wで行った結果エアコンは起動しました。
ただ電圧が90Vを下回るとエアコン自体の損傷やそもそも動かない場合があるのでブログには載せませんでした。
その時電圧を下げたのが日章工業NDF-1500Uという海外で100Vとして家電を使う変圧器でした。従来海外110Vを100Vにしますが100Vだと90V変換できます。ただあまりお勧めできない方法です。
あと現状でやれる方法としてエコフローは周波数設定ができるので50Hz/60Hzポーダブル電源側で変えてみて動く可能性はあります。以前電子レンジを周波数設定で動かせるようにする方法をブログに載せました。https://campingcar-life.net/inb/ 参考にしてみてください
今回のハイアールとコロナではハイアール製は実際よりも始動電流が高くコロナはカタログ値通りの電流ならばその差が出たのかもしれません
またいつでもご質問ください